戦後の復興期は、プロ野球の遠征での長距離移動は夜行列車が当たり前で、移動が容易でなかった。新幹線の開業による所要時間の短縮は、プロ野球にとって選手のみならず、ファンも気軽に各野球場に訪れるきっかけまでもつくる革命的な出来事だった。
田中氏は、国内鉄道全線踏破のほか、海外27カ国を鉄道旅行し、鉄道を中心とした執筆活動を続けている。熱心なプロ野球ファンでもあり、球場での観戦は1千試合を超える。著書に「われらブレーブス人間」「消えゆく鉄道の風景」「夜汽車の風景」「終着駅」などがある。
本書は、黎明(れいめい)期から現在までのプロ野球と鉄道の関わりを、各種資料を検証、考察するとともに、現在球団を保有する阪神電鉄や西武鉄道の取り組みなどを紹介する。
価格は800円(税別)。255ページ。問い合わせ先は交通新聞社TEL03(6831)6622。